この研究では、建設現場や水域の清掃作業で発生する高含水比の泥土を有効活用するための技術、ボンテラン工法を開発しました。この技術は、古紙破砕物とセメント系固化材を軟弱な泥土に混合し、再資源化することで良質な土砂を生み出します。このプロセスでは、繊維質物質が重要な役割を果たし、土砂の強度や耐久性を向上させます。
研究者
高橋 弘 教授
東北大学 大学院環境科学研究科 先進社会環境学専攻 資源戦略学講座(地球開発環境学分野)
研究内容
多くの建設現場や水域では、含水比が高いために直接利用が困難な泥土が大量に発生しています。これらの泥土は処理が難しく、しばしば廃棄されますが、ボンテラン工法によってこれらの泥土は価値ある資源へと変わります。古紙破砕物とセメント系固化材を混合することで、泥土は良質な土砂へと変化し、土構造物の構築材料として再利用されます。この技術の核心は、繊維質物質が土砂に様々な地盤工学的特徴を与えることにあります。これにより、土砂は破壊強度が高く、乾湿に対して耐久性があり、動的強度が高いという特性を持ちます。
社会実装のイメージ
ボンテラン工法によって生み出される土砂は、堤防の補強や盛土といった様々な土構造物の構築に適しています。この技術は、建設現場や水域の清掃作業で発生する泥土を価値ある資源へと変えることで、環境保護にも貢献します。さらに、この方法は古紙のリサイクルにもつながり、資源循環型社会の実現に寄与することが期待されます。
研究の独自性やポイント
ボンテラン工法は、繊維質物質を活用して高含水比の泥土を有効に再資源化する点に独自性があります。この方法は、廃棄されがちな古紙と泥土を組み合わせることで、新たな価値を生み出します。また、環境に優しい資源の活用を促進し、建設産業における資源の持続可能な使用を実現します。
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