この研究は、リチウム金属を負極とする次世代二次電池のエネルギー密度を向上させるための新しい電解液材料の設計に焦点を当てています。リチウム金属の高い反応性を制御し、99%以上の充放電効率を実現することに成功したこの研究は、リチウムイオン電池を超える性能を持つ次世代電池の開発への道を開きます。
研究者
山田 裕貴 教授
大阪大学 産業科学研究所 エネルギー・環境材料研究分野
研究内容
リチウム金属二次電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池など、リチウム金属を負極とした電池は、その理論上の高エネルギー密度により大きな期待を集めています。しかし、リチウム金属の強い還元性による電解液の分解が課題でした。当研究では、この問題を解決する新しい電解液材料を提案し、充放電効率の大幅な改善を達成しました。これにより、電池の長寿命化と性能向上が期待されます。
社会実装のイメージ
次世代二次電池の実用化により、電気自動車の航続距離が大幅に向上し、ガソリン車に匹敵する性能の実現が可能になります。この技術は、電気自動車の普及促進に寄与するだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなります。
研究の独自性やポイント
リチウム金属の反応性を制御する新しい電解液材料の設計により、次世代二次電池の実現に一歩近づいたことが、この研究の最大の特長です。高エネルギー密度を持つ電池の開発は、エネルギー貯蔵技術の革新として、未来のエネルギーシステムに大きな影響を与えると期待されています。
参考リンク 研究室リンク